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本当に言いたいことを言うのは、なかなか難しいな。

 

この前、偶然新宿駅の西口で地下アイドル時代、同じ店で働いていた子が路上ライブをしていた。相変わらず歌がめちゃくちゃ上手で、楽しそうに歌っていた。周りには、おじさんが十人くらい楽しそうに立って聞いていて。

 

わたしも流石にあっ、とおもって立ち止まる。彼女はわたしをまっすぐに見て楽しそうに歌っていたけど、多分わたしって気がついてないんだろうな。

 

すこし離れたスタバであったかいコーヒーを買って差し入れようと戻ると、もういなくなっていた。一人でコーヒーを飲む。ほんとは、りさちゃんですよね?って言ってコーヒーあげたかった。

 

 

映画の舞台挨拶に登壇した。

舞台に上がると、きてないとおもっていた人も目に入って驚いちゃった。

ロビーとか、あとはLINEとかツイッターで感想をもらって、またまた本当に嬉しかったです。

みんなありがとうございました

 

誰かの心に届くのってめっちゃ嬉しいね。自分の親しい人や尊敬している人だと尚更。この映画を撮ってよかった、ってのもあるけれど、わかってくれる人に囲まれていて自分は幸せじゃん…てのがデカイ。

 

 

 

 

1時間くらいかけて甲州街道を西へ進んだ。この道は何度か二人で歩いていて、いろんな記憶がある。この人も、わたしも、安心すると同時に怯えてもいるのかもしれない。

家に帰って寝ようとした頃に「全部ありがとう」とLINEが来ていた。

 

わたしの敬愛する日本人の映画監督に濱口竜介がいる。濱口竜介の「親密さ」という映画に、何度も繰り返される「言葉のダイヤグラム」という詩がある。

前にもここに載せたが。

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この日の出来事を振り返りながら、何度も読み返したこの詩を口ずさんでしまった。わたしにとって、お守りみたいな詩だ。わたしは映画監督として、いや、人間として「親密さ」の影響を多分に受けている。そんなことを痛感した日でした。